【未来くりっぷ#1】デジタルデザイン部は「変わった組織」意図的に多様性を醸成しているーー鴨田純一(プラットフォーム開発部門アーキテクチャ担当)

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生活の基盤を下支えし、デジタルの力で私たちの生活の中にさらに溶け込んでいくNTT東日本。社名は聞いたことあるものの、具体的にどういったことをしているかわからないという声も……。

ここでは、NTT東日本のデジタル事業に関わる人へのインタビューを通じて、彼らの仕事がどういう未来を描いているのかを紹介していきます。

今回は、NTT東日本のアセットを活用した地域課題解決プロジェクト「REIWAプロジェクト」の技術開発を推進されているデジタルデザイン部プラットフォーム開発部門アーキテクチャ担当の鴨田純一さんにお話をうかがいました。これまでNTTグループのさまざまなシステム開発を担当されてきた鴨田さんはどういった経歴の方なのでしょうか。

 

まずは突然ですが、鴨田さんをズバリ一言でいうと、どんな方なのかを教えていただけますか?

鴨田:ひと言ですか、今は「たまに止まることができるイノシシ」ですかね。これまでは「猪突猛進」でスピードと効率重視でプロジェクトを進めてきたのですが、最近はただ進むだけでなく、たまに立ち止まって考えられるようになってきました(笑)

--なるほど、その変化は職場の環境の変化によるものなのでしょうか?

そうかもしれませんね。わたしは、グループ会社での経験が長いのですが、当時はシステム開発のいわゆるプロジェクト型の仕事が多く、目標はわりかし明確でした。ゴールがはっきりしている分、「猪突猛進」で良かったのですが、今のデジタルデザイン部ではニーズ対応型の仕事に加え、デジタルデザイン部からのシーズ発信をしていこうという、「企て」に対応していく必要があったからだと思います。

ーー「プロジェクト」はゴールが明確に決まっているもの、「企て」は目的から自分たちで決めていくものということでしょうか?

はい。そうですね、「企て」ではゴール設定自体もかわりますし、ゴール自体も用意されたものやトレースできるものはないので、そこへ至る道筋も考えなくてはならないということですね。なので、やってみてこの道は違ったね。といった経験も多くあります。「今、やっていることはこのままでいいんだろか?」「この道の先は崖になってないだろうか?」などを考えるシーンが増えました。

ーー「企て」に仕事が移ってきたとのことですが、今の業務は鴨田さんに合っていますか

はい。もともと、新しいことを考えて実現に向けて考えることが好きなんです。今、プライベートで、娘の小学校PTAの父親グループのリーダをしているのですが、父親たちでキャリア教育授業を行ってみたり、コロナで縮小となった街探索イベントに向け、街と協力して撮影からビデオ作製をおこなったり。こういった新しいことを始めること、新しい「企て」を仲間とあれやこれ考え成し遂げることが好きなんでしょうね。

ーーそれは面白いですね、そういった、いろんな人と仕事をするとき、どういったことを大切にしていますか

仕事の話に戻しますが、チームワーク。特にメンバー間のコミュニケーションを活性化することですかね。一緒のプロジェクトでは、複数の部署から構成されます。ただ、新しい「企て」をやっていく場面では非常に余白が多いので、互いに余白をカバーしながらやっていく必要があります。プロジェクトメンバーが同じ方向性を見ているということが大切になってきます。昔であれば、1年で方向性を定めて、みんなで進む。で良かったのかもしれませんが、企画段階では進みながら方向性を考えるといったことがあります。そのため、日頃から、自分の仮説や考えをよく話し、ひとの考えをよく聴くことを大切にしています。なので、よくメンバーからは「鴨田さんがいなかったので会議が静かでした」なんて言われることもよくあります(笑)


鴨田さんは新卒でNTT東日本に入社されてからの経歴を教えていただけますか?

鴨田:私は新卒入社後に千葉支店に配属され、法人向けのSE業務、主にネットワークとサーバ構築を約4年間担当しました。その後、グループ会社のNTTアドバンステクノロジへ移って、情報漏洩対策製品の販売主幹、サーバの仮想化や、仮想化基盤セキュリティアセスメント業務を約7年間行いました。

この後、本社で相互接続推進部の仕事を経験しました。これまでNTT東日本の本業のネットワークに関わる仕事をしたことがなかった自分にとっては、非常に勉強になりました。しかし、管理系の仕事が中心であったことから、技術と直接ビジネスに直接的に携わる仕事がしたいという気持ちが強くなりました。

そんなこともあり、再びグループ会社であるNTTラーニングシステムへ出て、そこでは、各種Webシステムの開発や、インフラ企業向け防災システムの構築などを担当しました。

この後、ビジネス開発本部に配属され、スマートイノベーションラボのGPU基盤の立ち上げを行い、そこから、業務と一体でデジタルデザイン部に配属されました。


現在の鴨田さんを形成している印象に残った仕事にはどういったものがありますか?

鴨田:グループ会社で経験した、仮想化基盤のセキュリティアセスメントサービスの立ち上げ業務ですかね。当時は仮想環境のセキュリティアセスメント手法自体がなかったこともあって、先行しているアメリカのガイドラインや事例を参考にして、僕たちなりに咀嚼をしアセスメント手法の確立をしていきました。で、サービス開発当初はよくあることなのかもしれませんが、完全に手法を確立する前に大規模な受注をしていまい、納期もあるためのんびりはしてられず。半分泊まり込みで仕事をしていました。正直、仕事は大変でしたが、自分で手を動かしたものがサービスとなって事業化できたことは、非常にいい経験となりました。


現在はどういったお仕事をされてますか?

鴨田:「REIWAプロジェクト」における「映像AI解析プラットフォーム」の技術開発をしています。

「REIWAプロジェクト」は、お客様拠点から様々なアクセス回線で接続された、NTTの通信ビル上でコンピューティングを提供することで地域のお客様の様々な課題解決を行おうと考えています。代表的なニーズが、セキュリティ・ガバナンスの観点でクラウドを利用出来ないようなタスクにおけるコンピューティング、また、弊社の得意分野でもある高速・広帯域・低遅延でのコンピューティングです。こういったニーズが当てはまるユースケースの模索と並行して世の中の最新技術の目利きを行っています。

現在、この「REIWAプロジェクト」のひとつで、現在開発中のサービス「映像AI解析プラットフォーム」があります。これはお客様の環境下にある汎用カメラの映像をAIで解析し、製品の外観検査や、小売店のマーケティングといったサービスをSaaS型で提供するサービスです。現状ですと、こういった映像解析を実現しようとすると専用AIカメラを導入するということが考えられますが、そうするとAIの数だけ専用カメラが増えてしまい導入費があがるという問題があります。では、汎用カメラを使って、AIをサーバで処理するというモデルが考えられるのですが、その場合、サーバ設置するとそのメンテナンスや電源、熱の問題あって、AIを導入する全ての拠点に配置するのは現実的ではありません。

そこで、私たちの通信ビルにサーバをおき、お客様拠点の汎用カメラの映像を処理することで。AIアプリケーションを、SaaS型で使っていただきたいときに必要な分だけご使用いただくサービス、映像AI解析プラットフォームの開発を行っております。この映像AI解析プラットフォームのアーキテクチャの検討を行っております。

--非常に興味深いサービスですね。具体的に鴨田さんが行った取り組み等があれば教えていただけますか?

代表的な取り組みとして、さきほどの通信ビルエッジに設置したサーバをなるべく低コストに利用できることをめざして、1つのサーバで沢山のカメラのAI処理を行えるよう、GPU高収容化技術の確立に、社内部署やNTT研究所、グローバルIT企業と共に取り組んできました。技術の確立にあたってはNTT持株の研究で開発された「Deepack」と呼ばれる技術を活用し、複数カメラのAI推論を一括で行うことでGPUメモリの使用を低減し、同時にAI推論を可能とするカメラ数を増加させるものです。さらに、このAI推論処理、およびAI推論の前後処理をハードや、ミドル、OS、アプリケーションをレイヤ横断的に最適化することにより、GPUへの映像ストリーム収容数を世界的に類を見ないレベルに高めました。


鴨田さんから見たデジタルデザイン部はどんな部署ですか?

鴨田:いい意味で、NTT東日本内でも変わっている部署だと思います。グループからの出向者や、社外経験を持ったメンバーが多いですし、それぞれの方が得意な分野や社外ネットワークも豊富で、経歴も様々です。仕事の進め方もみんな違う進め方を持っていますし、非常に刺激になります。これは、同じようなタイプや思考を持っているメンバーだけだと、どうしても発想が画一的になってしまうので、意図的に多様性を醸成しているんだと思います。

こういったメンバーと技術についてフラットに議論できたり、ビジネスとしてみたときの最適解は? などをしっかりと話をできるメンバーがいるのはすごい組織だなと思います。また、皆さん技術だけでなく、その技術をつかって、ビジネスでの競争力にどの様に貢献するかを考えている、技術とビジネスの両面から考えて、提案していこうというメンタリティの人が多いんですよね。こういった環境で仕事していくことは、ビジネスパーソンとして財産になると思います。

体制でいうと、今はメインで映像AI解析プラットフォームと担当しながら、バーチャルチームで別のプロジェクトの一部を手伝いながらすすめています。まだまだ、人手の少ない、小さい組織ということもあるのかもしれませんが、比較的珍しい体制だと思います。でも、こうすることでとなりのプロジェクトで得た知見を他のプロジェクトに持ち込んだり、持って行ったり発想が膨らんだり、シナジー効果が非常に高いですし、非常に忙しい組織ではありますが、やっていて楽しいです。


鴨田さんご自身が仕事において大事にされていることはありますか?

鴨田:新しい技術を知ることや触れること、ですかね、例えば映像解析といったときに自分でもプログラムを組んでみたり、コンテナ型の基盤としてKubernetesが注目されているとすれば、環境を作ってみたりする。また、その技術に触れたことのあるひと、詳しい方に教えを乞うことで知識をアップデートすること、半分大事にしているっていうより好きというのが本音かもしれませんが(笑)で、そういった技術がビジネスにどういった価値を提供するのか、スピードなのか、コスト削減なのか、価値向上なのかを正しく理解し、技術を社内外に翻訳し、技術のセールスをできることを大切にしています。


最後に未来に向けてどういったことをやっていきたいですか?

鴨田:私は、もっと新たな技術を使ったサービスの提供を通じて社会課題を解決して行きたいです、NTT東日本は、沢山のサービスを提供する土壌は持っているので。まずは、映像AI解析プラットフォームの機能開発を通じて、小売りや製造業等で映像AI解析サービスがだれもが手軽に利用できるようにして、非生産的な仕事から開放して、もっとサービスや製品そのものの価値向上に特化した働き方ができる世の中にしてきたいです。

■鴨田純一(デジタルデザイン部プラットフォーム開発部門アーキテクチャ担当)

1998年に入社、法人営業部門でシステムエンジニアとして従事。その後、NTTアドバンステクノロジ社にて、情報漏洩ソリューション商品主管や、仮想化インフラのセキュリティアセスメントサービスの立ち上げを経験。相互接続推進部を経て、NTTラーニングシステムズ社にてCRM等Webアプリケーション開発および防災対策システム開発ソリューションの展開を実施。2017年にビジネス開発本部に着任。スマートイノベーションラボのGPU基盤の立ち上げをおこない、2019年より現職。現在は映像AI解析プラットフォームの方式検討や、技術コンサルなどを行う。NTT東日本に入社以来、NTTグループにおけるさまざまなシステム開発・運用業務を担当。

撮影・大塚まり
文・辻 英之

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