【未来くりっぷPJ#3】デジタルデザイン部から生まれたデジタル推進部は小回りの利くソフトウェア内製化のリーディング集団ーー橋本毅政×浅野尚×佐藤琢哉

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今回は、デジタルデザイン部から生まれた「NTTイーアジアのデジタル推進部」設立に関わったコアメンバーである橋本毅政さん、浅野尚さん、佐藤琢哉さんの3名にお話をうかがいました。

そもそもデジタル推進部とはどういった組織なのか?というお話からグループ内での役割やミッションまでを詳しく聞くと同時に、NTT東日本の課題をいかに解消していくかなど興味深いトピックが満載です。

ソフトウェアファーストの課題を解決するための遊撃部隊

ーーデジタル推進部をひと言で表すとどういった表現になりますか?

橋本:ひと言で表現するのは難しいですが、言うなれば「遊撃部隊」でしょうか。ご承知のとおり、NTT東日本は巨大な組織です。当然、メリットはあるわけですが、小回りが利きにくいというデメリットも存在します。これを解消するために遊撃部隊があってもいいだろうという発想で生まれたのが、デジタル推進部です。

ーー今回お話をうかがう3名の方々は元々デジタルデザイン部のメンバーとのことですが、同部との関わりはどういった内容何でしょうか?

橋本:弊社内に「通信ではなく新しいサービスをNTT東日本で作っていく」ことをミッションにした営業戦略を企画し推し進める部署があります。ただ、下支えする技術集団がいないという課題があって、それを解決するために2018年に新設されたためにできた組織がデジタルデザイン部です。

その後、「ソフトウェアファースト」の考え方が出てきて、NTT東日本でもソフトウェアを自在に使いこなせる企業になる必要があるという新たな課題が出てきました。これに伴って、デジタルデザイン部の中にソフトウェアの内製化部隊を作ろうという流れになりました。

こういった状況の中、やっぱり小回りが利きにくいことが大きな課題になってきました。組織が大きいがゆえ、承認や発注のプロセスが複雑なんです。「2週間後からスタートしたい」といった急なお話をいただいたとしても、組織上の事情で対応できない……。これを解消するためにも、遊撃隊が必要だろうとなりました。

このチームを作るにあたっては、オフショア開発を導入するとコストが下がることがわかっていました。もともと、アジアとのビジネスを行っているNTTイーアジアがすでに存在していたので、この中にアジア(オフショア)と一緒にソフトウェアを製造する部署を作ることになったんです。

デジタルデザイン部ではスピーディーであることも求められるので、そういう意味では同部を支える外局というか、特殊別動隊のポジションでもあります。


ソフトウェア開発に必要なリソースをスピーディーに支援するのがミッション

ーーデジタル推進部のミッションやビジョンはどういったものになるのでしょうか?

佐藤:ソフトウェアの内製化を支えるのが大きな役割のチームですので、ソフトウェア開発に必要なリソースを常に支援できる状態にしておくのが一番のミッションになります。そのため、デジタル推進部では開発パートナーと手を組みながら、NTT東日本のソフトウェア内製化開発に必要なリソースをスピーディに提供できるようにしていきたいビジョンがあります。

橋本:デジタル推進部のメインの支援先はデジタルデザイン部になるんですが、私たちはNTT東日本全体をソフトウェア内製部隊として活動できるように支援することもビジョンに含まれています。ひとくちにソフトウェア内製化といっても、一朝一夕にできるものではありません。

本来は、内製化を行っている所で修行をして会得して帰ってくるのが一番効率がいいんです。この視点でいうと、デジタルデザイン部で修行をして、元いた部署に戻るのがいいんですよね。

現在、デジタルデザイン部ではソフトウェア開発の経験やノウハウを持つ協業パートナーの方たちとプロパーが一緒になって仕事にあたっていますが、この間に入り込んで修行を積むといったイメージですね。

さらにいうと、修行を積んで戻った先の部署で同じことを実現させたいんです。ただ、このとき、的確な協業パートナーを探すのは簡単ではありません。このときに、NTTイーアジアが協業パートナーを供給できるようになればいいなと思ってます。

佐藤:デジタルデザイン部が母体であることは間違いないのですが、少数精鋭のチームですし、このままだとお引き受けできる案件の数にも限りがあります。こうした課題を解消するといった側面もデジタル推進部にはありますね。

ーーざっくりというと、デジタルデザイン部で成功しているプロセスをNTT東日本全体に広めていきたいということですね。

橋本:そうですね。現状、デジタルデザイン部でのオフショア先は主に中国です。なんでもそうですが、1つに集中させすぎるとリスクが伴います。だったら別の拠点をとなるわけですが、そのときアジアにコネクションのあるNTTイーアジアの強みを活かすこともできます。

NTTイーアジアは特にベトナムにコネクションがあって、地元企業にも知見があります。こうしたノウハウをフルに使って、ベトナムに拠点を立ち上げるミッションもあります。協業パートナーの裾野を広げるのが狙いですね。


NTTデータとの交流人事が大きなターニングポイントを生む

ーーデジタル推進部の立ち上げメンバーの一員として、どんな思いを持って臨まれたんですか?

橋本:私は、今後NTT東日本が通信事業以外で収益を上げることを目指す中で、幹となる考え方がソフトウェアファーストだと思ってました。そんな中、NTTデータからの交流人事(※)としてソフトウェア開発のPM経験が豊富なマネージャーが入ってきました。
※:グループ各社のカルチャーやノウハウを別の会社にも根付かせるための一環として行われている制度の1つ

NTTデータは国内トップクラスのSIerで、ソフトウェア開発のプロフェッショナル集団です。NTT東日本は通信回線を設備産業として作ってお客様に提供するプロフェッショナルですが、ソフトウェア製造の面ではNTTデータが何年も先に行っているイメージがあります。

NTTデータから来た彼の話は興味深い上、納得できることが多々あり、これをNTT東日本に根付かせる必要性を強く感じましたし、この思いを持ってデジタル推進部を立ち上げました。

実はNTTグループ全体で1つ大きな反省があるんですよね。それは、SNSサービスをNTTグループで作れなかったことです。通信会社としてインターネットの根幹は持っていましたが、その外側に出られなかった……。やっぱり、通信とソフトウェアの融合が大事なことを改めて思い知りました。そのために、ソフトウェアの内製化能力を身につける必要性を感じてます。


今後は組織を大きくして複数の開発を一気通貫で実行できるようなチームに

ーー浅野さんはデジタル推進部の設立と同時にジョインされてらっしゃいますが、現在はどういったプロジェクトを担当されてますか?

浅野:1つはデジタルデザイン部の仕事を引き受けています。それとは別に、オフショア先を育てつつ、NTT東日本内の別部署の仕事を進めている最中ですね。それから、NTT東日本グループ外の仕事も担当しています。比率としては、デジタルデザイン部6割:別部署2割:グループ外2割といった感じです。

デジタルデザイン部ではオフショアを使って進めることにアレルギーはないので、業務SE的な仕事をお願いするなどチャレンジングな取り組みも行っています。別部署の方ではオフショアの利用経験があまりないため、まずは基本的な取り組みで連携しています。そこでは、私自身も打ち合わせなどに参加して、これまでの経験やノウハウを伴走者的に共有しています。

オフショアの利用経験がない方にとっては、コストが安いことはわかっていただけるものの、例えば「外国語でコミュニケーションを取らないといけないのではないか?」などの不安があるのも事実です。こうした不安を取り除いてあげるのも私の仕事の1つだと思ってます。

ーーデジタル推進部は2021年10月に設立されたばかりですが、今後どういった展望をお持ちですか?

橋本:まずは、もっとメンバーが増えてほしいですね。イメージとしては、3年後には5名以上かな。これは、自分たちだけで完結してソフトウェア製造ができるようになっていたいという思いからです。ソフトウェアハウスのような動きができるようになるのが理想ですね。

浅野:私は開発のプロジェクトマネージャーを専業でできるようにしたいですね。現状、開発のプロジェクトマネージャー業務の他にパートナーの開拓や契約周り、事務処理も自分でやっているんですが、専業になるためには組織として役割分担ができるよう、体制を整える必要があります。ですので、こうした整理を行いつつプロジェクトマネージャーとして修業を積んで、ゆくゆくは複数の開発プロジェクトを最初から最後まで面倒を見て成功させたいです。

佐藤:NTT東日本における、オフショア開発の第一人者になれるといいなと思ってます。数年後、「誰がオフショア開発の推進をしたんだっけ?」となったときに、ここにいる人たちの名前が挙がるようなイメージですね。今後、NTT東日本がソフトウェアに舵を切ったときに、お役に立てたという実感も湧くと思います。

そのために今は、1つ1つの座組みや整理を着実に進めていくことが大切ですね。

■浅野尚(NTTイーアジア デジタル推進部 担当課長:写真右)
フレッツ系サービスの開発や、社内システムの開発などの業務を歴任。2019年のデジタルデザイン部発足時に、設立メンバーとして参画、オフショア開発/DXに従事。2021年10月より、現職。

■橋本毅政(NTTイーアジア 取締役 / NTT東日本デジタルデザイン部ファシリテーション部門長:写真中)
マルチメディアやIoT、AI、DXなどの業務を歴任。2019年にデジタルデザイン部の立ち上げプロジェクトをリード。現在は、デジタルデザイン部の総括部門長や、社内のAIを推進する「AIサロン」の主催に加え、NTTイーアジアの取締役を兼務。

■佐藤琢哉(NTT東日本 デジタルデザイン部ファシリテーション部門DX戦略担当 担当課長:写真左)
通信設備の保守業務やアプリの開発業務を歴任。その後、セキュリティ関連の企画業務を経て、2020年より現職。NTTイーアジア社デジタル推進部の立ち上げプロジェクトに参画し、現在、ソフトウェア内製化を推進中。

撮影・大塚まり
文・辻 英之


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